気になる血圧!食生活で改善しましょう!
2021.02.08
- コラム
「血圧」というと、どんなイメージがありますか?
「高いのはよくない」
「まだ若いからあまり関係がない」
「症状が何もなければ大丈夫」
といったイメージで、毎年の健診で指摘されても「症状がないから」となんとなくそのままにしていたり、どうしたらいいのかよくわからない、と漠然とした不安や悩みを抱いている方も多いのではないでしょうか。
しかし、身体の老化と同じように、血管も老化していきます。
多くの方の血圧は年齢を重ねるごとに高くなり、そのままにしていると知らぬ間に大きな病気を引き起こすこともあります。
わからないままにするのではなく、血圧についての知識を広げ、毎日の生活習慣を少し見直して、今できることから少しずつ改善していくことが大切です。
なかでも食生活は見直しやすく、すぐに予防や治療に結びつけることができます。
今回はそんな気になる血圧の知っておきたい知識と、普段の食生活でできることを簡単にお伝えしていきたいと思います。
気になる血圧!知っておきたい知識
大抵の方が一度は血圧を計ったことがあると思いますが、血圧計に表示される「最高血圧○○○ 最低血圧○○」といった表示は一体何を意味しているのか、よくわからないという方も多いのではないでしょうか。
測るたびに数値も変わり、高くても低くても指摘されるので不安になりますよね。
そこで気になる血圧の知っておきたい知識として
✔ 血圧とは?
✔ なぜ血圧は高くても低くても良くないのか?
について少し解説したいと思います。
血圧とは?
私たちの身体に流れている血液は、生きていく上で欠かせない酸素や栄養素を全身に届ける役割を担っています。
心臓は血液を流すためにポンプのように収縮と弛緩を繰り返し、血管に圧力をかけることで、動脈を介して全身の組織に規則正しく血液を届けています。
「血圧」とは、心臓から送り出される血液が全身へと流れていく時に、血管が内側から押される圧力(内圧)のことです。
心臓が収縮した時に動脈に圧力がかかるため血圧の数値は大きくなり、心臓が広がった時には動脈は元に戻るので血圧の数値は小さくなりますので、最高血圧(上の血圧)は心臓が収縮し短い時間で強い圧力がかかっている時の値で、反対に最低血圧(下の血圧)は心臓が広がっている時の値ということになります。
また、血圧は常に変動しています。夜間睡眠中の血圧は低く、起きて活動している日中は高くなります。
特に食事や喫煙、入浴、排泄などの動作は血圧を上げます。その他にも年齢や性別、気温、緊張、健康状態などによっても左右されます。
このメカニズムを知ると、血圧を測るたびに数値が変わる理由がわかりますね。
なぜ血圧は高くても低くても良くないのか?
血圧が年齢を重ねると高くなるということは知っていても、なぜ高血圧になるのか、なぜ血圧が高くても低くても良くないのかということは、意外と知らない方が多いのではないでしょうか。
血管をホースに例えると、普通の血圧は自然にホースから水が出ている状態なのに対して、高い血圧はホースをグッと握って勢いよく水が出ている状態です。さらに年齢と共に血管の老化も進むため、血管の弾力がなくなり、硬く、膨らみにくくなるので血圧が上がりやすい状態になります。
これが年齢と共に高血圧になっていく理由です。
高血圧になっても症状がないことがほとんどですが、そのまま放置していると少しずつ血管を傷つけて動脈硬化を促進し、脳卒中や心疾患、慢性腎臓病などの重大な病気につながります。そのため若くても、いまは何も症状がなくても、毎日の生活の中でできることから少しずつ予防していくことが大切です。
反対に、低血圧は血圧が下がりすぎることにより脳に充分な血液が配給されにくくなり、倦怠感やめまい・ふらつきなどの症状があり、病気が隠れている場合もあります。
低血圧にはいくつか種類がありますが、生活習慣が影響している場合が多いため、日常生活を見直していくことで症状が軽減していくと言われています。
このことから、低血圧も高血圧も同じように日々の生活を見直し、改善するよう予防していくことがとても大切と言えます。
全身をめぐる血管や、流れる血液、血液を送るポンプの役割をしている心臓、この全ての血液循環の器官を良い状態に保つことで、私たちは毎日を健康的に過ごすことができます。
血圧のことというと、高血圧が注目されがちですが、低血圧も同じように身体の不調を伝える重要なサインです。
血圧は毎日の健康状態を知ることができる大切な指標ですので、健診などで気がついた時から対策していくことが大切です。
身体のために普段の食生活でできること
血圧のための食事というと「減塩食」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
しかし、身体のためと言っても、あまり味気のない食事を毎日続けるのはとても辛く、食欲もなくなってしまいますよね。
ストレスも血圧上昇の要因になりますので、無理なく血圧も考えた食生活を続けることがとても大事です。
そのために普段の食生活でできることとして
・食材選びのポイント
・調理のポイント
・食事の時のポイント
を知ると、食事を楽しみながら食生活を改善していくことができると思います。
それでは解説していきます。
食材選びのポイント
食事の一番の喜びと言えば、美味しく頂くことですよね。
素材のうまみの強い新鮮な旬の野菜や果物・魚類は、あまり味付けをしなくても美味しくいただくことができるので、積極的に選び、食べることをおすすめします。
血圧を上げる要因はナトリウム(食塩)ですが、逆に血圧降下作用のある栄養素がカリウムやマグネシウムです。
カリウムは、野菜・果物・海藻類・豆類・芋類などに多く、特に含有量が多いものとして、ほうれん草・アボカド・春菊・大豆・ひじきなどがあります。アーモンドやカシューナッツ・ごまといったナッツ類にはカリウムと共にマグネシウムも豊富に含まれています。
和食で考えると、ほうれん草の胡麻和えやひじき煮などにすると、効率よく血圧を抑える栄養素が簡単に取れますね。
身体を作るタンパク質は、血液をサラサラにして動脈硬化を防ぐEPAやDHAの栄養素を含んでいる、青魚のさんまやぶり・さばなど光り物のお魚がおすすめです。
食べる時は塩分コントロールのしやすいお刺身や焼き魚にすると良いでしょう。
また、食物繊維はナトリウム(食塩)を吸着し体外へ排出する働きがあります。
特に玄米・雑穀米・海藻類・きのこ類やごぼうなどの根菜類に食物繊維が多く含まれています。
なかでも雑穀米は、食べ慣れたいつものご飯にサッと混ぜるだけで味を大きく変えることなく、手軽で簡単に食物繊維を取り入れやすいのでおすすめです。
調理のポイント
血圧のための調理のポイントは、うまみ・香り・酸味などを利用して調味料の使用を減らすことです。
例えば、日本食の基本のお出汁は素材のうまみを引き出すため、鰹節や昆布・椎茸でしっかりとうまみをとり、その後の調理をします。味噌汁や煮物などを作る時は具沢山にして、だしと素材のうまみをしっかりきかせると、味噌やしょうゆなどの分量を減らす工夫をすることができます。
その他、
香りは青じそ・生姜・にんにく・ミョウガ・ネギなどの薬味
酸味は穀物酢・米酢・りんご酢などの酢やレモン・柚子・かぼすなどの柑橘類
辛味は一味唐辛子・七味唐辛子・山椒・こしょう、などがあります。
これらの食材を組み合わせて調理や味付けをすると、薄味でも風味づけするだけで自然と食塩量を減らすことができます。和え物やサラダなどは調味料をかけておくと水分が出てきてしまい味が薄くなってしまいますが、食べる直前にかけると薄まらず調味料も少ない量ですみます。
下味をつける調理は、出来上がり寸前か調理直後に味付けをすると、舌で味をしっかり感じられるため、下味をするよりも少量の調味料で美味しくいただくこともできます。
また調理の際に溶性成分流出防止のため、積極的に電子レンジやスチーム、無水鍋を活用することもおすすめです。
ちょっとしたことですが、こういったポイントをうまく活用して調理するだけで、身体に良いことはもちろん、美味しく血圧も考えた食事を簡単に作ることができます。
食事の時のポイント
一番大切なのはストレスをかけないことです。
アルコールも適量(ビール1杯分くらい)であれば楽しみましょう。週休2日制にするなど、身体を休める期間もきちんと作って適度に楽しむことも大切です。
また、外食よりも食事のコントロールがしやすい家庭料理がおすすめですが、どうしても外食になってしまったり、食べたいものがある時もあると思います。
そういった時は、例えばラーメンはできるだけスープを残すようにしたり、丼物や味付けご飯の時は小どんぶりにすることで少しバランスを取るようにすると、身体を考えながらもストレスも軽減することができます。
食事はストレスにせず、逆にストレス解消に役立てましょう。
食生活全体にいえることですが、日頃の食べ過ぎ・飲み過ぎなどを見直し、日常生活の中で予防・改善していくことが大切です。肥満も高血圧の原因の一つですので、色々な食材をバランスよく摂ることを心がけて、無理せず、できるところから少しずつ食生活を改善していきましょう。
まとめ
毎年の健診や病院などで指摘される度に、気になる血圧。
血圧は毎日の健康状態を知ることができる、大切なバロメーターです。
高血圧も低血圧も、そのままにしていると知らぬ間に大きな病気を引き起こすこともありますので、気がついた時にできることから予防・改善していくことが大切です。
なかでも食生活は見直しやすく、すぐに予防や治療に結びつけることができます。
毎日の食事を楽しみながら食生活を見直していくために、食材選びのポイント・調理のポイント・食事の時のポイントなどを活用し、無理せずできることから美味しく改善していきましょう。
編集スタッフ:矢田由香